自走式立体駐車場とは、平面型ではなく立体駐車場の一種で、その中でも駐車施設内でドライバー自身が運転して目的の場所に停めるタイプのものを指します。平面型駐車場ではドライバー自身が運転することは当たり前ですが、立体駐車場の中には機械式のものもありますので、それと区別する意味で自走式立体駐車場と呼んでいるわけです。基本的には、平面型では対応しきれないくらいの需要があるけれども、機械式を導入するくらいに高いコストをかけるほどではない、中間的なケースで利用されることが多くなります。例えば、郊外で十分に広い土地が簡単に得られるような場合は、そもそも立体型にする必要がなく、普通は平面型駐車場になっていることでしょう。
一方で都心のターミナル駅近くとか、繁華街の大規模な商業施設やホテル、あるいはタワーマンションといった施設では、立体駐車場であっても自走式とすることは適切でないケースも多くなります。分かりやすい例では例えば20階建てのビルに立体駐車場を併設する場合、ドライバー自身が最高で20階部分まで車を運転していきますかということであり、ちょっと非現実的でしょう。機械式とし、機械の力で持ち上げるようにすることが適切です。自走式立体駐車場の場合、そのフロア数は一般的には2階から3階程度、高くても4階から5階くらいまでに留まるもので、土地利用の効率性の観点では中間的レベルに位置することがここからも分かります。